葛飾北斎 分福茶釜図

葛飾北斎
かつしかほくさい

分福茶釜図
ぶんぶくちゃがまず

寛政七~十年(1795~98)頃、紙本墨画淡彩、一幅、[永田コレクション]

Katsushika Hokusai
Bunbuku chagama, tale of the raccoon dog transformed into a tea kettle
[Nagata Seiji collection]

上州茂林寺の説話「分福茶釜」を題材とした作品。茂林寺の老僧守鶴が愛用した茶釜は湯が尽きぬことで有名だったが、それは老僧に化けた狸の術によるもの。化け狸の守鶴が身にまとう墨染の衣には勢いのある力強い描線がみられ、一方で、茶釜から立ちのぼる湯気では、墨の滲みと渇筆(かすれを活かした描法)を組み合わせるなど、北斎の練達した技量を窺うことができます。
読み方:守鶴=しゅかく/渇筆=かっぴつ

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