歌川広重 東都名所 両国夕すずみ

歌川広重
うたがわひろしげ

東都名所 両国夕すずみ
とうとめいしょ りょうごくゆうすずみ

弘化四~嘉永三年(1847~50)頃、大判錦絵三枚続、[新庄コレクション]

Utagawa Hiroshige
Famous views of Edo : Evening cool in Ryōgoku
[Shinjō Jirō collection]

納涼舟が浮かぶ隅田川や両国橋を背景に、三人の女性が夕涼みをしています。女性たちの着物の柄、髪飾り、手にする小物も三者三様で、互いに艶やかさを競い合うかのよう。中央の女性の着物の柄は、水面に映る月光を象徴する波兎文様で、この女性の頭上には美しい満月が描かれています。襟をぐっと背中にひいた着くずし方や、素足の膝下が見え隠れする颯爽とした歩き方など、当時の女性たちに美のお手本とされたことでしょう。

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